【5月に届いた封筒、どうする?】社会保険制度説明会の案内が届いたら読むブログ|算定基礎届・随時改定・給与ソフト実務も解説

5月になると、年金事務所から「社会保険制度説明会のご案内」という封筒が全国の事業主に届きます。

「これは行かなきゃいけないの?」「どんな内容なの?」「うちの会社に関係ある?」
そんな疑問を持って検索される方も多いのではないでしょうか。

このブログでは、以下の内容を実務の視点からわかりやすく解説します。

  • 社会保険制度説明会の概要と参加の必要性
  • 算定基礎届(定時決定)と随時改定(月額変更届)の違い
  • freee・マネーフォワード給与での反映方法(実際の画面を用いて説明)
  • 2025年(令和7年)西宮市の説明会日程・会場情報

社会保険制度説明会とは?5月に届く理由

毎年5月〜6月にかけて、全国の事業所へ「社会保険制度説明会の案内」が届きます。
これは、日本年金機構が主催する、社会保険手続きに関する事業主向けの説明会です。

案内が5月に届くのは、7月に提出期限を迎える「算定基礎届(定時決定)」に向けた事前準備として、必要な情報を提供するためです。

内容は以下のようなものが中心です:

  • 算定基礎届の提出方法・注意点
  • 月額変更届(随時改定)の判断基準
  • 電子申請(e-Gov・GビズIDなど)の推奨と操作説明
  • 保険料免除(産休育休)の手続き案内
  • 保険料率の変更、制度改正などの最新情報

算定基礎届(定時決定)と随時改定(月額変更届)の違い

両者とも「社会保険料の算出のもとになる標準報酬月額」を見直す手続きですが、目的や時期、対象者が異なります。

項目算定基礎届(定時決定)随時改定(月額変更届)
実施タイミング年1回(原則7月)給与等に大きな変動(2等級)があった場合、随時
対象者全従業員固定的賃金が変動した従業員
算定期間4〜6月の3か月分変動後の3か月分
適用開始9月支給分から変動から4か月目の給与支給分から
必要書類算定基礎届月額変更届
要件特になし2等級以上の差、支給基礎日数の基準あり

「定時決定だけじゃない」—なぜ随時改定があるの?

社会保険料を決めるもととなる「標準報酬月額」は、毎年1回の【算定基礎届(定時決定)】で見直されます。ですが、期中に大きな基本給の変動があれば、それだけでは対応しきれないケースもあります。

たとえば…

  • 昇給して給与が大きく上がった
  • 基本給の体系が見直された

このように、年の途中で従業員の固定的な給与が変わることは珍しくありません
それにもかかわらず、社会保険料が1年間ずっと同じままだと、実際の給与額と保険料のバランスが崩れてしまうことになります。

そこで設けられているのが「随時改定(=月額変更届)」の仕組みです。

昇給や降給など、給与に明確な変動があった場合には、年1回の見直しを待たずに社会保険料を調整できるようになっているのです。

例:9月に昇給 → 9〜11月の平均給与が2等級以上アップ → 12月から新等級が適用される

給与ソフト(freee・マネーフォワード)での設定方法と注意点

算定基礎届や随時改定によって保険料が変更されたら、給与ソフトにも正確に反映する必要があります。

freee人事労務の場合

  • 標準報酬月額は自動では反映されないため、従業員ごとに手動で設定変更が必要です
  • 保険料率(協会けんぽ)は自動更新、組合健保は手動設定が必要です
  • 変更後に給与明細を確定済の場合は、確定解除→再計算が必要

freeeヘルプセンター 従業員の情報を編集する

マネーフォワードクラウド給与の場合

  • 従業員ごとに、適用開始月を設定して設定する
マネーフォワード クラウド給与使い方ガイド
「社会保険」の設定

いずれのソフトも、「正しい時期」「正しい等級」の入力ができていないと、社会保険料にズレが生じる原因になります。給与確定前に必ず確認しましょう。

【2025年】西宮市の社会保険制度説明会|日程と会場

兵庫県西宮市では、以下のとおり開催が予定されています。

  • 開催日:2025年6月12日(木)
  • 時間:午前の部 10:30〜12:30/午後の部 14:30〜16:30
  • 会場:西宮市民会館(アミティ・ベイコムホール)

内容は日本年金機構や兵庫県社会保険協会が中心となって行われ、算定基礎届の作成例、電子申請の操作、間違えやすい点の共有など、実務に沿った説明がされます。

※各地域で日程・会場は異なります。年金事務所公式サイトからの案内をご確認ください。

説明会は行くべき?参加の判断基準

  • 初めて算定基礎届を出す
  • 社労士がいない/サポート体制に不安がある
  • 労務担当者が変更になったばかり

このような場合は、参加することで理解が深まり、ミス防止にもつながります。
逆に、社労士のサポートがあったり、実務も慣れている場合は、必須ではありません

まとめ|案内が届いたら「何もしない」はNG。必要な知識を備えよう

  • 「社会保険制度説明会」は、算定基礎届提出のための事前情報提供の場
  • 算定基礎届と随時改定は似て非なる制度であり、どちらも社会保険料に直結する
  • 給与ソフトには必ず正しい時期・等級・料率を反映させることが重要
  • 不安な場合は、説明会参加や専門家への相談が安心です

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