【中小企業にもチャンス】ネーミングライツの広告宣伝費処理と注意点|西宮市でも2025年5月に募集開始

2025年5月、西宮市が市立施設に対するネーミングライツ(命名権)のパートナー募集を開始しました。
これは、企業が一定の金額を支払い、施設名に自社の名称やブランド名を冠することができる制度です。

「大手企業の話では?」と思われがちですが、実は中小企業や地域密着型の事業者にとっても、非常に大きなPRチャンスとなります。

ただし、税務・会計処理には一定のルールや注意点があるため、事前の確認が必要です。
この記事では、ネーミングライツの仕組みと、中小企業が導入する際の税務・会計上のポイント、さらに全国・西宮の事例をご紹介します。

◆ ネーミングライツとは?地元企業でも取得できる「命名権」

ネーミングライツ(naming rights)とは、公的施設やイベント等に自社名を冠する権利を企業が購入する仕組みです。
たとえば「○○ホール」「△△スタジアム」のように、自社名が施設名として使用されます。
施設名は変更せず、愛称として会社名を使う場合もあります。

契約期間や名称の使用範囲などは自治体や施設ごとに異なりますが、近年は大企業だけでなく、地域企業の参入も増加しています。

◆ 中小企業にとってのメリットとは?

✅ 地元での知名度アップ

施設名に企業名が含まれることで、地域住民に自然と認知されるようになります。

✅ 社会貢献・信用力のアピール

地域施設への協力は、CSR(社会的責任)や地域貢献活動としても評価され、取引先や求職者にも好印象を与えます。

✅ 採用・ブランディングにも効果

公共施設で名前が掲示されることで、安心感やブランド力の向上につながります。

◆ 西宮市でも募集開始

西宮市では、2025年5月の市政ニュースで市立施設のネーミングライツパートナーを募集について公表されました。
「意外と安い!」と感じられる方も多いのでは?
西宮市民にとってはなじみのある施設のため十分PR効果が得られると思います。


西宮市 市政ニュース(2025年5月25日号)

西宮の事例

・西宮市民会館
「アミティ・ベイコムホール」という愛称が付されており、これは株式会社ベイ・コミュニケーションズが、ネーミングライツパートナーになっています。

・西宮浜総合公園(バスケットボール広場)
株式会社EPIC DREAMがネーミングライツを取得し「EPIC DREAM COURT」という愛称になっています。この会社は青少年向けのスポーツ事業を営んでいるので、スポーツ施設との親和性もあり、遡求効果が高いと思います。

◆ 税務処理は広告宣伝費でOK?|損金算入の可否と会計処理

ネーミングライツ料は、「広告宣伝費」として損金算入可能な支出とされるのが一般的です。

✅ 税務上の処理:広告宣伝費 or 寄附金?

区分説明
広告宣伝費宣伝効果が明確で、対価性がある場合 → 全額損金算入可
寄附金扱いとなるケース公益目的性が強く、PR効果が薄い場合 → 損金算入限度あり(特別損金算入限度額)

広告効果が期待できる場合(看板掲示、広報誌掲載など)、広告宣伝費として処理し、全額損金算入できます。

✅ 会計処理の注意:一括支払いは「繰延資産」に

契約期間が複数年に及び、一括で支払う場合は、次のような処理が必要です。

  • 一旦「繰延資産」として資産計上
  • 契約期間に応じて各年度に均等配分して費用計上(償却)

例:3年契約で300万円を一括支払した場合
→「繰延資産300万円」として計上し、各年100万円ずつ償却

◆ まとめ|地域とつながる新たな選択肢

ネーミングライツは、単なる宣伝にとどまらず、地域とのつながりを強化し、企業価値を高める選択肢でもあります。
西宮市でも募集が始まった今、中小企業が地元に根差してブランドを育てる好機です。

導入の際は、税務・会計処理の確認と事前準備をしっかりと行いましょう。

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ネーミングライツに関する会計処理や税務のご相談は、西宮市の税理士・なかがわまみ税理士事務所までお気軽にご連絡ください。
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