実は、この税制は、一部の界隈で過度な節税スキームに用いられていたたため、改正されました。
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1.令和4年度改正された内容は?
1.国税庁が問題視した節税スキーム
本特例は、青色申告の中小企業者、個人事業主の事務負担軽減のため設けられた制度にもかかわらず、一部のインフルエンサー等により節税スキームとして広まったため、国税庁が問題視し、改正に至りました。
- ドローン節税
ドローン需要の高まりを受け、ドローン(30万円以下)を大量の購入して全額経費にしたうえで、貸出し、リース収入を得るスキーム。収入はリース期間で按分されるが、費用は一括で先に経費にできる。 - 足場節税
ドローン同様、建設現場で貸し出す足場についても、同様の節税スキームが見られた。
2.改正内容
少額減価償却資産のうち、貸付の用に供した資産は特例を適用できなくなり、原則通り耐用年数で償却しなくてはなりました。
ただし、節税目的でない事業者に影響が出ないよう、貸付用であっても、以下のものについては、これまで通り、特例の対象となっています。
つまり、改正ははいりましたが、過度な節税や節税目的の貸与でなければ問題ないかと思います。
①主要な事業(物品賃貸業)またはそれに付随して行われる場合
例)不動産賃貸業者が賃貸物件に付随して家具等を貸し付ける場合
元請けの企業が、協力会社や下請企業に工具等を貸し付けるケース
②グループ内への貸付
例)節税目的ではなく、グループ経営の一環として、グループ内で資産をレンタルしている場合(ボリュームディスカウントのため親会社でまとめて事務機械を購買し、まとめて子会社に貸付する)」
3.全額経費にできるが、償却資産税の対象になる!
残念ながら、少額減価償却資産は、一括経費になるにもかかわらず償却資産税はかかりますので償却資産の申告をする必要があります。
償却資産の計算上は、本来の耐用年数(4年、5年など)で償却して計算します。
償却資産税は、無形資産、車両にはかかりませんが、機械や備品(PC)等にかかります。ただし、免税点制度があり、対象資産の課税標準(≒簿価)が150万円を越えなければ償却資産はかかりません。
ちなみに、少額減価償却資産と似た「一括償却資産」というルールがあり、これは中小企業者にかかわらず全事業者が対象になり、10万~20万円の資産についてまとめて3年で一括償却するものがありますが、これは償却資産税の対象になりません。