中小企業や個人事業主の方にとって、設備投資の負担は大きな悩みのひとつです。
「新しい機械を入れたいけど、借入は避けたい」
「資金繰りを圧迫せずに導入したい」
そんなときに活用できるのが、兵庫県の『設備貸与制度』です。
本記事では、制度の内容や活用メリット、通常借入との違い、税理士ならではのアドバイスも含めて、わかりやすく解説します。
このページの目次
設備貸与制度とは?
「設備貸与制度」とは、公益財団法人ひょうご産業活性化センターが中小企業に代わって設備を購入し、低金利で貸与(割賦またはリース)する制度です。
— 公益財団法人ひょうご産業活性化センター 設備貸与制度より
制度の基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
対象 | 小規模・中小企業(業種や従業員数により制限ありますが原則従業員20人以下) |
金額 | 100万円〜1億円 |
金利 | 年0.95〜2.20%(長期固定) |
方式 | 割賦 or リース |
返済期間 | 設備の法定耐用年数(3年~最長10年) |
こんな方におすすめ
この制度は、以下のような方に特におすすめです。
- 初期費用を抑えて設備を導入したい方
→ 自己資金不要で導入可能 - 金利負担を抑えたい方
→ 銀行借入よりも低利で、長期固定 - 金融機関借入を使いたくない(枠を残しておきたいorすでに信用枠すべて借りている)方
→ 金融機関の信用枠を使わずに設備投資ができる - 将来の資金繰りが不安な方
→ 毎月定額払いのため、キャッシュフローを予測しやすい
通常の借入との違いは?
比較表:銀行借入 vs 設備貸与制度
比較項目 | 銀行借入 | 設備貸与制度 |
---|---|---|
金利 | 約2〜4% | 0.95〜2.20%(固定) |
担保・保証 | 必要な場合あり | 原則として保証人のみ |
審査 | 金融機関ごとに審査 | センター独自の審査基準 |
所有権 | 即取得 | 割賦:返済後 / リース:返却 |
導入スピード | 約1ヶ月程度 | 約2ヶ月(申込〜設備導入) |
税理士からのアドバイス
税理士の立場から、以下のようなポイントにも注目しています。
1. 借入枠の戦略的活用
この制度は、金融機関の借入枠を圧迫しないため、運転資金や他の投資に備えて資金余力を確保できます。
2. 税務処理の違いに注意
割賦は「自分で所有しているが、支払を分割している」もので、リースは「借りている」ものです。
支払が分割されている点は同じですが、税務処理は異なるので、注意が必要。
- 割賦:設備を固定資産として計上し、減価償却していく
- リース:リース料を経費計上するだけ(固定資産計上はしない)
利益や税額に影響が出ますので事前に確認しましょう。
3. 商工会加入による金利優遇
兵庫県内の商工会・商工会議所経由で申し込みした場合、金利優遇を受けられる可能性もあります。
4. キャッシュフロー計画が大切
割賦・リースともに数年にわたる支払いが必要です。
月々の返済額と事業収支のバランスをしっかり見極め、無理のない資金計画を立てることがポイントです。
設備投資する前に資金繰計画をたてて、今後の売上からきちんと返済できるのか確認しておきましょう。
まとめ|設備投資を後押しする公的制度をうまく活用しよう
設備導入は、事業の成長に欠かせない投資ですが、資金繰りの負担を大きくする要因でもあります。
兵庫県の「設備貸与制度」を活用すれば、低金利・長期払いで無理なく設備投資が可能になります。
ぜひ一度この制度を検討してみてください。

当事務所では、クラウド会計を活用した効率的な記帳や、日々の経営に寄り添う節税提案を行い、お客様の大切なお金をしっかり守ります。税務調査の際にも、お客様の立場に立ってしっかり対応いたします。
兵庫県西宮市を拠点に、JR西宮駅・阪神西宮駅周辺をはじめ、夙川、甲子園、苦楽園口など、西宮市内のさまざまな地域で事業を営む皆さまをサポートしております。大阪市や兵庫県内はもちろん、全国からのご相談にも対応しています。
LINEからのお問い合わせも受け付けており、事前にご予約をいただければ時間外のご相談も可能です。お困りの際は、どうぞお気軽にご連絡ください。