【西宮の税理士】国民年金の一括払いは仕訳・確定申告でどう扱う?

こんにちは。
西宮のなかがわまみ税理士事務所です。

4月末といえば、国民年金の一括払いの引落があるタイミング。
「どんな仕訳を切ればいいの?」「科目は?」「確定申告ではどうするの?」といったお問い合わせを多くいただきます。

今回は、国民年金を一括払いした場合の会計処理や、確定申告との関係について、税理士の視点からわかりやすく解説します。

1. 国民年金の一括払いとは?

日本年金機構では、国民年金保険料を半年分または1年分、2年前納で一括払いできる制度があります。
一括で納めることで、保険料が割引になるメリットがあります。

たとえば、令和6年度の2年前納の場合、毎月収めるよりも17,000円ほど安くなります。

2. 一括払いの会計仕訳と科目

事業主の方(個人事業主)が国民年金を支払った場合、事業用経費になるかどうかは注意が必要です。

■ 国民年金の取扱い

内容勘定科目経費算入
国民年金保険料事業主貸(または事業主勘定)× 経費にならない

国民年金は「個人の社会保険料」のため、事業経費にはできません。
したがって、仕訳としては以下のようになります。

■ 仕訳例(口座引落し時)

(借方)事業主貸 205,720円  / (貸方)普通預金 205,720
※上記は事業用口座から引き落としする場合の仕訳です。プライベート用口座(記帳していない口座)の場合は、年金保険料は記帳する必要はありません。
会計ソフトfreeeの場合

連携している口座の場合は、「プライベート利用」として登録すればOKです

3. 確定申告での扱い

事業経費にはなりませんが、所得控除の対象になります。

■ 所得控除の名称:

社会保険料控除」として、支払った金額全額が所得から控除できます。

  • 控除できるのは支払った年(例:4月30日に引き落とされたら、その年の確定申告で申告)
  • 一括前納の場合も、支払った年分全額が対象となります

4. 家族の分も払っている場合は?

たとえば、配偶者や子どもの国民年金保険料を自分の口座からまとめて支払っているケース。

この場合でも、生計を一にしていれば支払った人の社会保険料控除に含めることが可能です。

■ 確定申告の際のポイント

  • 誰の分をいくら払ったのかを明確にしておく
  • 控除を受ける人の所得が多い人につけるのが一般的(節税効果が高い)

5. よくある質問

Q. 国民年金基金も同じ処理でいいですか?

A. 基本は同じく「社会保険料控除」として扱います。ただし、確定拠出年金(iDeCo)とは別枠になるため、申告時の記載箇所に注意が必要です。

Q. 青色申告決算書や会計ソフトに入力する?

A. 経費ではないため、青色申告決算書には計上しません。確定申告書Bの「社会保険料控除」欄に記載します。

まとめ

項目取扱い
会計処理経費にせず「事業主貸」などで処理
勘定科目事業主貸などの事業主勘定
確定申告所得控除(社会保険料控除)で申告
家族の分を払った場合生計一であれば申告可能

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