【西宮の税理士が暗号資産を解説】マイニング事業と消費税の注意点

💻 マイニング事業と消費税の注意点

暗号資産(仮想通貨)に関する問い合わせが年々増えてきました。特に最近では、「マイニング事業」を始めたという方や、「確定申告での経費の処理が難しい」という声も耳にします。

今回は、これまでの実務経験ややり取りをもとに、マイニングと消費税の関係について整理しながら、課税売上割合や仕入税額控除の注意点をわかりやすく解説します。

🔍 そもそも「マイニング」ってなに?

マイニングとは、暗号資産の世界における「取引記録の作成作業」のことです。

ビットコインなどの暗号資産では、世界中の人々が同時に計算競争を行い、誰よりも早く正解を出した人が報酬として暗号資産を受け取る仕組みになっています。

この計算競争に参加して、暗号資産を得るビジネスを「マイニング事業」といいます。

☑ 暗号資産を「掘る」のではなく、「計算で獲得する」イメージです。

📉 マイニング報酬や暗号資産売却は課税売上割合に含まれない?

ここが消費税実務上、非常に重要なポイントです。

■ マイニングによる報酬の扱い

  • 消費税法上、「対価を得て行う資産の譲渡等」ではない
  • 不課税取引に該当(課税売上割合の計算に含めない)

■ 暗号資産の譲渡(売却)の扱い

  • 消費税法施行令第9条により、「支払手段に類するものの譲渡」として非課税
  • さらに、課税売上割合の計算に含めない(分母不算入)

⚠ 仕入について全額控除できない場合は「区分」が命!

通常、課税売上割合が95%以上であれば、全額控除が可能(95%ルール)です。

しかし 課税売上割合が95%未満になった場合は全額控除ができないため、経費の区分がとても重要です。

✅ 経費の区分と仕入控除の対応

経費の内容区分控除対象?
マイニングにかかる設備投資、暗号資産売却にかかる費用非課税取引に対応する課税仕入れ(最終的に暗号資産売却につながると解される)❌ 控除対象外
共通経費(家賃・通信費など)共通対応⭕ 按分により一部控除

🔸 共通対応経費は、個別対応方式または一括比例配分方式により按分処理が必要です。

📝 まとめ

  • 💡 マイニングは「報酬を得る不課税取引」
  • 🪙 暗号資産の譲渡は「非課税かつ課税売上割合に含まれない」
  • 📉 課税売上割合が95%未満となると、仕入税額控除に按分が必要
  • 📁 全額控除できない場合には、経費区分が極めて重要

💬 実務で迷ったら?

マイニングや暗号資産を扱う顧問先をお持ちの方、あるいは副業で始めた方は、消費税上の分類ルールを早めに整理しておくことが重要です。
適切な税務処理を行うためにも、事前のヒアリングや申告対応をご検討ください。

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